ついに西穂高岳に挑戦しようと思い、日帰りで計画を立てました。
無理そうなら独標まで行き、引き返す予定にしていました。
年末近かったので行ける日が1日しかなく、車中泊する前日と前々日が大雪で高速道路が軒並み通行止めとなっており、まずは穂高ロープウェイの駐車場にたどり着くまでが大変でした。
高速道路が通行止めのため下道で進んでいましたが、白鳥インターを降りてしばらくした国道でまさかの国道が通行止めになりました。
穂高に向かうには郡上八幡インターまで一旦戻り、そこから山中を運転して平湯温泉方面に抜けるしかなさそうです。
以前に燕岳に向かう際にスタッドレスタイヤだけでは困難だったため、チェーンを準備していたので逆に向かう事ができました。
山中でチェーンを巻きましたが、それでも危険で滑り気味です。
特に平湯温泉までの上りの道路が危なく、挙動が怪しかったので超低速運転で向かいました。
平湯温泉バスターミナルに着いたのが家を出てから12時間後でした。
穂高へはさらに危ない道路状況である可能性もあるため、平湯バスターミナル近くの駐車場で車中泊をして、翌日朝一番に穂高バスターミナルに向かいました。
人が少なかったのですが、冬山なのでこんなものと思っていました。
後からこの人数はありえなく少ない事を知りましたが。
朝一番のロープウェイに乗れたので、まずは一安心していました。
ロープウェイ降りてトイレを済ませ準備していると、なるべく誰か先に行ってくださいのスタンスで中々誰も向かおうとしません。
先に進むとよくある登山道が始まる注意書きがあり、入り口からいきなり腰までのラッセルです。
トレースはうっすらある場所もありますが、赤い旗が立っていたりマーキングはあるのでコースは分かります。
前で立ち止まっていたソロ登山者の方が二人いましたので一緒に行きましょうと話し合い、三人でラッセル交代しながらスタートしました。
途中から一人は引き返し、二人でラッセル。
ヒザくらいのラッセルの箇所もあり、途中からトレースもよく見えるようになりましたが、基本はラッセルです。
西穂山荘まで時間はかかりましたが、無事到着したので有名な西穂ラーメンを食べて外に出ると、後ろから一斉に登山者が現れました。
あとでこれがトレースをつけてもらってから歩く雪山の基本だと知りました。
外に出て丸山がどの方角かを調べて確認すると、まるでトレースはありません。
というかどこから登るか全く分かりません。
このルートはジャンダルムへのコースとなり保留していたため、西穂高岳を含むこのルートには夏も行った事がないため、登山口も分かりませんでした。
他の登山者の方々も山荘の外でずっと立っていて、誰も動きません。
GPSを見て、一人で丸山に向かおうとすると、山荘から誰か一人赤いマークをつけた棒?をたくさん持って現れました。
この山荘の管理者の方で、今から丸山までマーキングをつけに行くが、かなり時間がかかると思うので山荘で待機しておいて欲しい、間違えて歩いたら危ない場所があるので、マーキングをつけた後に歩いて欲しいと止められました。
この時点ですでに12時となっており、この様子だと独標に行ってしまったら日帰りではロープウェイの時間に絶対に間に合わない、丸山でもホワイトアウトで景色はなにも見えないと判断し、下山する事にしました。
帰り道は何人か歩いてきた後なので、別道のように楽に歩けます。
ここまでいつも楽に歩けていたのは、トレースがあったからと認識し、先行者の方の苦労を初めて知りました。
雪山での初めての撤退となりました。
それでもあまり残念な気持ちにはなりませんでした。
今まで天候をよく見て雪山を登っていましたが、雪山を初めて1ヵ月で西穂を計画した事自体、問題かもしれません。
体力的に問題なく歩けているので調子に乗っていた事を改めて反省する非常にいい機会になったと思いました。
赤岳と大山で少しラッセル気味で歩きましたが、足がたまにズボっと埋まり踏み抜いたり、たまにひざ下くらいまで入る程度でした。
天候を見て計画していたのもありますが、ラッキーなだけでした。
そう考えながら、帰り道を歩きました。
少しでもアイゼンでの滑らない歩き方をマスターしておこうとも考え、YouTubeで学んだアイゼンの補講術を試しながら、一歩一歩歩きました。
蓼科山で即刻撤退を決めた大学生パーティーのように無理せず勇気をもって撤退し、出来る事を出来るうちにトレーニングしておき、準備を怠らず、睡眠と食事をしっかりとり万全で挑む事がソロ雪山登山では必要条件だなと再考しました。
本来ならば高速も通行止め、下道も白鳥からの道が通行止め、郡上八幡まで戻り凍った山道で高山まで抜けるしかなかった、この時点で中止するべきでした。
とても勉強になった山行でした。
撤退のレポートのほうが自身には学びが多く、また他の方が参考にしてもらうにもいい資料になると思います。
今後も撤退事例は詳細に記録し、恥ずかしがらずに公表したいと思います。
GPS 02:47 山行2:22 休憩0:48
距離4.0km 上り297m 下り296m
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