熊野古道小辺路をテント泊で歩いてきました。
2泊3日想定で準備していたのですが、結構長いトレイルのため初日から飛ばして歩いたいたところ、結果的に1泊2日で熊野本宮まで着いてしまいました。
幕営地が結構ありそうだったので予定していた幕営地に昼過ぎに到着してしまった時点で変更しましたが、史跡が昔の宿のところが多く、テントを張りやすい場所が多い印象です。
テントさえあれば、自分のペースで歩けるのではないでしょうか。
この道は今後の山行になるよう、幕営地や補給に関する詳細を記録しておこうと思うので、予定している人は参考にしてみてください。
スタートは高野山になるので、まずアクセスが悪いです。
遠方から来られる人は前泊するケースが多そうですが、高野山に宿泊した場合は早く出発できます。
私のように始発から向かう関西圏の人は逆に出発が遅くなるので、1泊目の宿泊地をよく考えるほうがいいでしょう。
テン泊でなく小屋泊にする場合、逆に1泊目の選定が難しいと思います。
ほとんど登山者に会わなかったですが、3泊4日の予定の人ばかりでした。
その場合、1泊目が難しいと思います。
野迫川温泉に数件ある宿にするなら予約しておく必要があり、ルートから少し外れると思います。
全て小屋利用にしない場合、平日なら避難小屋はまず利用できそうですが、避難小屋を使うならテントだけ持って行けば自由度が高いと考えて私はテントを持参しました。
結果、正解でしたが、少しでも軽量化するならシュラフのみ持参してマットとテントを持参しない、またはツェルトだけ持っておくのもありです。
十津川温泉は割と有名な温泉地のため宿が多く、予約も取りやすいと思います。
また素泊まり対応できる宿があるので、平日であれば当日問い合わせして対応してもよさそうです。
十津川温泉までの道中、集落を通過するので携帯の電波があります。
また公衆電話も集落のトイレ横に設置してある場所が多いので、電話予約できます。
平日だったのもあり、途中ほとんどハイカーに会わなかったです。
3泊4日で予定している人ばかりでしたので、普通に楽しみながら歩くなら4日想定で行くほうがいいでしょう。
水を取れる場所が多いため、行程が長くなっても安心です。
念のために浄水器があればベストですが、なくてもいけそうです。
三浦峠の上り途中にある水場ありと書かれている三十丁の水という水場がかなり細く、逆に三浦峠から下りだしてすぐにある水場のほうがドバドバ出ていて便利です。
あとの水場はどこも潤沢に組めます。
水の問題がないので、食料だけでしょうか。
私は3日想定+1日予備を持参したので半分以上ムダになりました。
靴の選択も悩むところです。
トレランシューズの方が総じて向いていますが、荷物の重量と行程の長さ、特にロードが長いのでソールが薄いとダメージがあります。
いつもアルトラローンピークを愛用していますが、3日目が雨予報だった点とロード対策でホカのスピードゴートで行きました。
下山しても膝などにトラブルは出ませんでしたが、ゴア防水の代わりに通気性が悪いのでマメが出来そうになりました。
初めてトレランでよく使われる軟膏を使いました。
これでマメが出来そうな感じの場所に先回りして塗っておき、その間に靴のソールを乾燥させておきます。
また休憩時はこまめにソール乾燥を心掛けました。
今後は長距離の行動の際はレスキューセットに組み込もうと思います。
軽くて通気性がいいがソールの厚みがないローンピークかクッションが分厚く防水のスピードゴートのどちらが正解なのか両方試していないので何とも言えませんが、ソールの固い系統の靴はこの行程には合わないと思います。
大股の集落です。
ここで初めて少しだけ休憩しました。
自動販売機があり、トイレはなんとウオシュレットです。
ただ他には何もなく、すぐ登山道に入ります。
写真にあるように雨対策と日よけで傘を持って行きましたが、未使用でした。
3日目の雨対策でしたが、2日で帰ってきたので不要でした。
トレッキングポールを使うなら傘を使用しにくいのもあります。
テント支柱用トレポ1本+傘にすればよかったです。
1泊目で行程の半分近く来ていたので、初日就寝前に2日で帰る計画に変更する事を決めました。
1日目、ヤマレコの標準コースタイム0.4で来ていたので、翌日は疲労を想定して0.6で再計算して2時間プラスしておき、朝4時行動に設定して歩き始めました。
夜明けが早く、とてもいい朝の景色の中歩けました。
写真もかなり撮影したり、景色を眺めながら歩いたので、少し時間がかかりましたが、これこそテン泊の楽しみです。
十津川温泉が近づくと川の色が濁ってきました。
温泉の成分のせいでしょうか。
最後の熊野でも似た感じでした。
この十津川温泉への道中が国道の土砂崩れのためにかなり迂回をする必要がありました。
地元の人に聞くと徒歩ならいけるかもしれないとの事でしたが、一応やめておいたほうがいいと言われたので素直に迂回路を取りましたが、このルートが微妙にアップダウンがあります。
また車の交通量が結構あるので、気を使います。
十津川温泉を9時前に通過したため、どのお店が開いているかなどは分かりませんでした。
十津川温泉から熊野本宮までのルートでは、数人の登山者に遭遇しました。
このコースを日帰りで歩く人が結構いるようです。
十津川温泉はバスが非常に少ないのですが朝2便あるので、熊野方面から朝に十津川温泉に入り、果無登山口からスタートすればちょうどいい日帰り登山コースになるからでしょう。
これで世界遺産の果無集落を通って歩けます。
<果無集落>
熊野本宮まで出れば、ここからはバスが結構あります。
または道の駅あたりに車を停めておき、十津川入りするのもいいと思います。
とてもいいルートだと思います。
この道の駅はレストランもあり、お弁当も売っていました。
お弁当を買って外のテーブルで昼食を食べている地元の人が多かったです。
ここでゆっくり食事をしたかったですが、食料が余っていたのでもったいないと思い、賞味期限があと1日しかない手持ちの残ったパンを食べました。
この道の駅から残り全てロードだと思っていましたが、三軒茶屋跡まで行くルートで再度登山コースになり、少し登ります。
終盤になって、ようやく世界遺産、熊野古道らしい道になってきます。
ここまでほとんどただの登山道です。
ただしこの石は逆に滑るので要注意です。
到着した時は感動しました。
伊勢神宮に参拝した時も身が引き締まる思いでしたが、歩いてここまでくるのとは全く違います。
何とも言えない初めての印象です。
一生忘れる事はないでしょう。
信仰の道を歩くので、途中の史跡に歴史の解説がある看板も多くあります。
1000年以上前からある道を歩く機会はなかなかありません。
一般の登山道は明治以降に開発されたルートばかりなので。
小辺路を歩く人は、大多数の人が何かしらの影響を受けてここまでたどり着くはずです。
私もここまでの道中、いろんな事を考えながら歩きました。
2日だけでしたが、とても有意義な時間を過ごせました。
外国人の登山者の方が一人、この中で正座をしてずっと物思いにふけっていました。
初日に数人、登山者に会いましたが、日本人は私と電車、トロリー、バスと一緒だったもう1人の人だけで、後は全員海外からの登山者でした。
何度も小辺路を歩いている人もいて、萱小屋でビールが買えるよと教えてくれました。
3泊4日の予定と言っていたので、1日目は萱小屋で宿泊予定だったのでしょう。
今回、途中で1泊2日に変更したため、自動販売機でジュースを買うのも減らし、トイレの時ぐらいしか休憩していません。
ゆっくり歩けば、他の登山者の方と宿泊地で再開したりしながら、歩く事が出来た気がします。
日本語で挨拶されたら私が英語で返答すると、皆さんうれしそうに話しかけてくるのですが、急いで歩く事ばかり考えていたので、途中で切り上げてしまっていました。
もう少し余裕のある日程で時間を取って歩く方が良かったかもしれません。
次回は2泊3日にして、十津川温泉でゆっくり夕食付きの宿に泊まって歩いてみたいです。
ただ次に熊野古道に行くなら、まずは先に他の4ルートを歩きそうですが。
総じて危険個所はなく、食料と登山経験があれば体力に応じて日程さえ調整すれば誰でも歩けます。
日本にも素晴らしいロングトレイルがあるので、多くの人に歩いてもらいたいです。
ルート作成する際に便利なように、ヤマレコの方に補給情報など詳細を記載しておきます。
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