12月末に台湾遠征から帰国し、体調不良でしばらく登山をしていなかったのですが、ようやく今年の山初めにアルプスに行けました。
この週の前半から天候を見て予定を組み、本当は連休2日前に西穂山荘に泊まり、西穂高岳登頂と丸山から夕日と朝日の撮影を行うつもりにしていましたが、仕事が忙しくて前日しか休みが取れず、1日ずれて撮影と登山になりました。
ただ天気予報も前倒しになり、せっかくの連休が10年ぶりの大雪、荒天になるとの予報に変わってしまったので、日帰りに変更して日中の撮影と登山になってしまいました。
厳冬期アルプスのモルゲンロートは本当に感動的です。
雪が風で舞う逆光の風景も登った人にしか見れない風景とスケール感で、超広角レンズと三脚で一度撮影してみたいと2年越しの思いがあったのですが、天気だけは仕方ありません。
写真撮影用の三脚は、昔ながらのジッツオの重い中判でも使える大型三脚、ジッツオの軽量3kg程度のカーボン三脚、ハスキーの普通ぐらいの軽さで一眼レフなら十分の三脚、登山用の超小型三脚を使い分けしているのですが、今回登山用に定評のあるベルボンの足の長さも割とある超軽量1kg程度の三脚を購入してフルサイズ一眼レフと明るくて大きい交換ズームレンズ1本、超広角単焦点レンズ1本を担いで気合十分で登りました。
三脚は強風のため使用できる状況でなく、あいにくの手持ち撮影になりましたが、昼のアルプスは十分撮影できました。
新しい軽量三脚ですが、風の強い厳冬期のアルプスでは重しをカラビナでつけても風でブレるので全く役に立たなかったです。
低感度、最高画質で風景を撮りたかったのですが、手振れ補正があるイマドキのカメラでなければ無理でした。
このベルボン三脚、夏の登山、低山の雪山で風が弱い山なら十分使えそうです。
何キロの三脚ならどの程度の風でも有効なのか判断が難しいですが、実験するにも実際に運んで撮影、画像診断必要のため結構キツイです。
通常の風景写真では、厳冬期のような風速の状況では撮影しません。
ロープウェイで上がれる木曾駒あたりで、強風時に撮影時期をずらしながらチャレンジするしかないでしょうか。
日帰りで下山後に肩が痛くなったのも初めての経験です。
今回、軽量で素材強度のある新しいアルパインザックで挑みましたが、肩パッドが薄いのでカメラは本体とズームレンズ1本に限定しなければ冬用の軽量アルパインザックでは厳しいです。
カメラでザック重量の半分以上あったのですが、新年早々新しいアルパインザックを雪山で使ってみたくて今回デビューさせたのが間違いでした。
肩と腰ベルトがしっかりしたザックで15kgぐらい想定していれば、肩トラブルもなかったと思われます。
朝一番のゴンドラは中国人観光客の方々で超満員でした。
観光客の皆さんもゴンドラ駅を出て快晴のアルプスを楽しんでおられました。
ゴンドラ待ちの間、台湾の登山ガイドの方に声を掛けられ、先月行った玉山の話や登山装備の違いなど楽しく情報交換できました。
この台湾ガイドの方が私のザックを見たことがないとの事で興味を持ってきたようです。
ザックの肩パッドが非常に薄く、この重量で雪山を一人で登るのかと驚かれました。
また腰ベルトも簡易のヒモみたいなのしかついてないと執拗に腰ベルトの重要性を説明されたのですが、岩とアイスのミックス帯があるので、日本の冬はテン泊でなくルートによってはこういうザックで行くものだと説明しました。
またULザックはほぼ腰ベルトは使わないかおまけ扱いな事も説明しました。
あまり納得されていないようでしたが、この日は私の方がミスをしているのでガイドの方が正解です。
先月行った台湾遠征の時はガイドにほぼ英語が通じなかったのに、こんなところで英語が話せるガイドさんと遭遇するとは何とも不運です。
この日は風がまぁまぁ強い事を除けば、最高のコンディションでした。
それでも15mくらいでしょうか。
おそらく20mもないぐらいの風速です。
厳冬期のアルプスなら普通でしょうか。
気温が低いので、午後からでもアイゼンがしっかり効きます。
雪も腐っておらず、天候も安定しているためかトレースも消えていません。
2年前より雪は少なく、独標から西穂方面に降りていく際も岩が見えやすかったので楽々降りれます。
3回目のアタックですが、今回が一番難易度が低く、カメラ機材がなければサクサク歩けたと思います。
今回は斜度のある岩とアイスのミックスを登る山で使うため、ピッケルも少し短くストレートでないタイプを購入してきました。
独標の山頂直下でダガーポジションを取る場所があったのですが、長いストレートのピッケルに比べて刺さりやすく、上下で差し込めて安定し、かなり使いやすいです。
通常の雪山登山ならストレートで長さがある方が便利だと思いますが、どうせポールを持って行くのであれば短い方がいいかもしれません。
独標の山頂直下まではポールで歩きました。
独標手前の岩陰で先行しているソロの方が強風で停滞して動けなくなっていたのでサポートしてから独標まで登頂しましたが、その時点ですでに12時30分でした。
帰りのゴンドラの時間を踏まえて15時にはゴンドラ駅、または宿泊なら16時に西穂山荘まで戻る必要があり、逆算して撤退リミットに決めていたので、12時独標がギリギリです。
ピラミッドピークの手前まで行ってきましたが、下からガスも湧いてきたので撮影状況の悪化を想定し、ここで下山を決断しました。
西穂高岳山頂に人影が見えた事で登頂は可能であると確認できた点に加え、カメラ機材をデポして頑張ればまだ十分最終ゴンドラや小屋泊にするなら往復できる時間でしたが、決めた撤退基準は必ず守るようにしているため、山頂までもう目の前でしたが撮影だけ行い撤退しました。
独標より先のルート上に西穂ピークにいた1名しか登山者は見当たらなかったのですが、さすがにカメラ機材をデポすると盗難のリスクも怖いです。
そもそも独標の手前辺りからは三脚を立てて撮影できるぐらいのスペースがなく、長時間撮影するには危険すぎます。
初めて三脚をこのエリアに持参したので、そこまで考えていませんでした。
前回来た時に三脚を使っていたカメラマンが全員丸山の手前で撮影していたのか、今ごろ気が付きました。
登頂する事に集中して撮影に意識が行かないと当たり前の事にも気が付かないものだと学びました。
平日なので観光客以外の登山者は少なかったですが、正直言ってこの山に来るには早い登山者も数名見かけました。
10人ちょっとしか見ていないので、かなりの確率です。
歩き方や装備ですぐ判断できるのですが、ステップアップしながら登る大切さを非常に感じました。
稜線歩きがほとんどのためルート上で携帯の電波が総じてあるのが素晴らしいのですが、スマホの扱い方、保護のやり方次第では気象状況次第でスマホの電源が落ちます。
初めての雪山でスマホのアプリが使えず、視界が悪くなれば、パニックになるのではないでしょうか。
私も慣れないうちは人が多い週末をあえて選んで来てましたが、平日だと何かあった時に危険です。
帰りにBDのFLZのスノーバスケットが落ちていましたが、ヤマレコを見ると同じ日に登った方のレポートが1件上がっており、このポールをこの日のために購入して持参したとの記録がありました。
私も3シーズンに同じものを使用していたのでバスケットを見てすぐ分かったのですが、このポールを積雪量の多い雪山で使用する事はよほど雪質の状態が揃わなければ無理です。
バスケットのサイズを見ただけですぐ原因が分かると思うのですが、低山でないしっかり雪のついた雪山を実際に歩いた経験がほとんどないのでしょう。
バスケットも埋没していなかったので外れたらすぐ分かるはずですが、元々効いていないので無くなっても分からなかったのでしょう。
独標で停滞されていた若いソロの登山者はダブルアックスでした。
最初に見かけた時は、日帰り装備で奥穂高まで縦走されるのかと思ったぐらいです。
西穂高岳山頂直下で雪が腐っている時にのみ有効だと思いますが、丸山あたりを歩く際にも二つ手持ちで歩いていたので、そもそもピッケルの使い方、意味を知らないのだと思います。
この日の風で怖くて歩けないと言っていましたが、最もコンディションのいいぐらいの気候だったので他の日に来ていたら大変な事になっていたでしょう。
厳冬期のアルプスは八ヶ岳あたりで何度か雪山の経験を積んでから来る方がいいと思います。
嫌味でなく、本当に危険だと思います。
長野県警が雪山での遭難数を発表していますが毎年増加しており、半数以上が60歳以上です。
高齢者=ベテラン、安全では決してない事を警察が常にアナウンスしているのも納得です。
去年、那須岳で警察の雪山訓練を見ましたが、てんくら風速30m予報の日にわざわざ訓練している姿を見て、お世話にならないようにしなければと思いました。
何度か雪山で歩き、スキルを練習して知識もアップグレードすれば、歩き方、見え方が格段に変わってきます。
正直言って、夏山だと体力と根性で結構無理が効きます。
逆に怒られるかもしれませんが、若い人だと結構何とかなるでしょう。
その延長上で雪山にアタックすると、運が良ければ必ず事故にあうと思います。
その時、運が悪ければ即死でしょう。
自分にも言い聞かせる意味で、あえて書いておきます。
帰りのゴンドラで私でも知っている有名ユーチューバーの人とスタッフが同乗してました。
行きのゴンドラから中国人観光客で満杯、帰りも日本人はあまりいない事もあって油断しているのか、そもそもそういう人なのか、名前や内容を書けば大炎上する、あまりにも下品な会話が繰り広げられてました。
有名になると勘違いしてくるものなのかもしれません。
アルプスの有名な山にいい天気、いい時期に行くと、結構な確率でユーチューバーに遭遇します。
私は他の登山者の方と同じように対応し、全員同じようにすれ違いの挨拶しか声掛けしません。
実際にお会いして感じのいい登山系ユーチューバーも大勢いますが、たまに人間性に問題のある人も見かけます。
撮影のためならある程度は何をしてもいいと勘違いしているようなユーチューバーを今まで数人見てきました。
恐らくある程度、有名な山を何座か登っている登山者なら、同じ経験をされていると思います。
また山の関係者の方は結構口が軽いので、いろんな場所で話しまわってます。
いつもは遭遇してもスルーしていますが、ゴンドラの周りの日本語が分かる方々も迷惑そうでしたので少しは気にして欲しいと思い、あえて書きました。
老若男女問わず、誰もがみんなで気持ちよく山を楽しみたいところです。
また厳冬期の西穂高岳に登ってみたいです。
ただ今度からは撮影とピークハントは分けて登山に行くようにしたいと思います。
両方いいとこ取りは通常の登山なら問題ないですが、ゴンドラ営業など時間制限がある登山には向いていないです。
今思えば当たり前の事なのですが、久しぶりの厳冬期アルプス登山、年始登山だったので欲張り過ぎました。
まさに備忘録として記録しておきたいです。




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